林翔太・室龍太出演『WHERE’S CHARLEY? チャーリーはどこだ!』公開稽古レポート

左から 中屋敷法仁、福田転球、敷村珠夕、室龍太、林翔太、蘭乃はな、彩乃かなみ、鈴木壮麻

2024年4月22日(月)に東京・日本青年館ホールにて開幕するブロードウェイミュージカル『WHERE’S CHARLEY? チャーリーはどこだ!』。その稽古場取材会が行われ、公開稽古と、林翔太、室龍太、蘭乃はな、敷村珠夕、彩乃かなみ、福田転球、鈴木壮麻、中屋敷法仁(演出)による囲み取材が行われた。

1948年にブロードウェイで初演された『WHERE‘S CHARLEY?』は、イギリスの劇作家ブランドン・トーマスにより1892年に初演を飾った演劇『チャーリーの叔母』をもとに、アメリカの名劇作家ジョージ・アボットが脚本を書き上げたミュージカル作品。
音楽と歌詞は、ミュージカル『Guys and Dolls』や『How to succeed』の音楽を手掛けたフランク・レッサーが担う。
1952年には映画化もされており、世界中のミュージカルファンからミュージカル黄金期の名作として親しまれているラブコメディ・ミュージカルだ。

今回演出を務めるのは、劇団「柿喰う客」代表で『奇子』、『フォーティン・ブラス』など話題の外部作品も多数手がける中屋敷法仁。主演の林翔太は、オックスフォード大学に通う好奇心旺盛で元気な主人公チャーリー・ウィカムを演じる。また、チャーリーのルームメイトであるジャック・チェスニー役を室龍太、チャーリーの優しく賢く礼儀正しいガールフレンドのエイミー・スペッティギュー役を蘭乃はな、ジャックの正直なガールフレンドのキティ・ヴァーダン役を敷村珠夕が演じるほか、チャーリーの叔母ドナ役を彩乃かなみ、エイミーの叔父でキティの後見人スペッティギュー役を福田転球、ジャックの父フランシス役を鈴木壮麻が務める。

取材会はまずフォトセッションからスタート。カンパニーの和やかな雰囲気がうかがえる中、林、室、蘭乃、敷村、彩乃、福田、鈴木、中屋敷が作品にかける意気込みを語った。

(以下コメントほぼ全文)

林(チャーリー 役) チャーリー・ウィカム役の林翔太です。ありがとうございます。僕はこの隣にいる龍太が演じるジャックのルームメイトで、ちょっと陽気な青年を演じさせていただきます。稽古が始まって1週間ぐらい経ったんですけど、今まで経験したことないぐらい速いスピードで稽古がどんどん進んでいって、もう頭の中がパンパンなんですけども。でも、もうこの1週間で絶対楽しい作品になるなっていう確信があるので、ぜひ皆さんに観に来ていただきたいです。今日はよろしくお願いします。

室(ジャック 役) おはようございます、室龍太です。ジャック・チェスニー役を務めさせていただきます。僕は稽古が始まって途中から参加させていただく形なんですけど、正直に今申し上げるのであれば、今僕は何をしてるのか分かってないです。
(一同笑い)※室は現在別の舞台作品の本番中
すごいてんやわんやしてます。ですので、皆さんに追いつくようにしっかり頑張っていきたいと思いますので、 どうか皆さま応援のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

蘭乃(エイミー 役) 皆さまおはようございます。エイミー・スペッティギュー役をさせていただきます蘭乃はなです。今日はお天気が良くて良かったです。やっぱりイギリス人なのでお天気の話からしないとかな、と思います。エイミーは模範的な英国の上流階級の令嬢なんですけれども、人よりちょっとだけ思い込みが激しいところがありまして、チャーリーを好きなあまりに悲劇的になってしまうところがあります。ほんとに座長の林翔太さんがとっても頼もしいので、すごく円滑にお稽古進んでますので、(林「いやいや」と謙遜)そこの波に乗っかって、初日までみんなでお稽古していきたいと思います。ぜひ劇場に多くの方にお越しいただきたいです。よろしくお願いします。

敷村(キティ 役) 皆さまおはようございます。キティ・ヴァーダン役の敷村珠夕です。私は室さん演じるジャックのガールフレンドで、蘭乃さん演じるエイミーの親友の役です。なんか結構調子いいなって思う女の子なんですけど、 今は結構振り付けとかもしっかりついて、ナンバーがこんな感じなんだっていうのが見えてきて、すごく見ていて楽しいナンバーとかシーンがいっぱいあるなって思うので、お客様に楽しんでいただけるように稽古を頑張っていきます。

彩乃(ドナ 役) チャーリーの叔母役をさせていただきます、ドナ・ルーシア役の彩乃かなみです。よろしくお願いいたします。私はこの中で一番の大金持ちという役で、にじみ出る豊かさみたいなのが出たらいいなって思うんですけども。その中でチャーリーの色々なドタバタを一番分かっている人物なので、それを「ふ〜ん」って思いながら手のひらで転がして楽しみながら、それも貴族のたしなみ的に、心の中で笑いながら、どこで救ってあげようかなみたいなことも考えていたりとかする叔母です。そんなドタバタを楽しみながら演じたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

福田(スペッティギュー 役) 私はスティーブン・スペッティギュー役の福田転球と申します。蘭乃さん演じますエイミーが姪で、敷村さん演じるキティの後見人として、二人を娘のように可愛がっている叔父の役です。チャーリー演じるニセ叔母さんドナ・ルーシアに財産目的で近寄っていく、ダメな親父でございます。稽古はまだまだ始まったばっかりなんですけども、林くんがどんどん引っ張ってくれて、(林「いやいやいやいや」と謙遜)で、壮麻さんがガンガン若者を引っ張ってくれて。(鈴木「いやいやいや」と謙遜)とても楽しい現場でございますよ。楽しい舞台になると思いますので、ぜひとも遊びに来てください。

鈴木(フランシス 役) 今日はありがとうございます。鈴木壮麻です。フランシス・チェスニー役をやらせていただいてます。ジャックのお父さんで、いつも室くんのことを「せがれ!」とか言ってますね。大英帝国の絶頂期の頃が舞台になってて、その華やかな時代にオックスフォードで起きているこのドタバタなんですけれども。上流階級と上流ちょっと手前ぐらいの人とのいろんなやり取り、格差とかいろんなことが出てきたりとか、僕は僕でお金を全部失ってしまってどうしたものかと思ってるところで、本物のドナ・ルーシアと出会って結婚できて、家の品格をちょっと保てるみたいな。そんないろんな社会的な側面を盛り込みながらの楽しいミュージカルになっています。本当にフランク・レッサーの楽曲が素敵で、今のリズミカルでシンコペーションがガンガンとかいうものではなく、白玉のすごく素敵なフレージングをしながら歌って、でも激しく踊る若者たち。息をぜえぜえさせながらそれを見せないで踊って稽古してる姿を見ていて、なんて頼もしいんだろうなって思ったりするんです。そういったことを全部ひっくるめて、クラシカルミュージカルの醍醐味をぜひぜひ客席に届けたいなと今一致団結しています。林さんは稽古初日から台本を全部(手から)離して膨大な量の台詞をやっていて。これはまずいよねって転球さんと二人で一生懸命覚えたふりをしながらやってたんですよ。みんながみんな相乗効果で稽古場を盛り上げていて、今いいところに差し掛かってる状況です。ぜひぜひ、お客様に大勢いらしていただけたらなと思ってます。どうぞよろしくお願いします。

中屋敷(演出) 演出を担当します中屋敷法仁と申します。半世紀以上前のとても歴史のある作品でございます。ただ、私たちのDNAに刻まれている音楽の楽しみですとか、ダンスの喜びみたいなものが凝縮されている、そういったお話かなと思ってます。非常に笑いづらい時代ですし、あんまり自由な恋愛がなかなか難しい時代かもしれませんが、若者たちが恋と自由に向けて汗をかいている、とても爽快なミュージカルなような気がしてます。あと、出演者の皆さんはとてもチャーミングな方が多くて、楽曲もすごい可愛らしいんですよね。とても古いミュージカルですけどあまり重々しくなくて、とても素敵な空間が劇場に広がるなと思っております。ぜひ劇場に遊びに来てくださればと思っております。よろしくお願いします。

公開稽古でまず披露されたのは、M6 チャーリー(林)とエイミー(蘭乃)の歌唱シーン。
チャーリーはエイミーに「結婚しよう!」とプロポーズしているのだが、話が噛み合わずエイミーは天真爛漫に歌う。一生懸命なチャーリーの姿と、思い込みの激しい令嬢エイミーの姿が微笑ましいチャーミングなシーンだ。

続いて披露されたのはM17 全キャストによるコーラス歌唱と芝居のパート。ゆったりとしたテンポの曲の中で、ジャック(室)とキティ(敷村)が華やかなダンスをセンターで披露する。

作品自体はクラシカルな名作だが、コミカルなストーリーの中でそれぞれ愛らしいキャラクターの登場人物が歌って踊る姿は観ていてワクワクが止まらず、とっつきにくさは全く感じない。

公開稽古後には林、室、蘭乃、敷村、彩乃、福田、鈴木、中屋敷が質疑応答に応じた。
(以下コメントほぼ全文)

――M6 林さんと蘭乃さんのシーンの解説と、同シーンでのお互いの印象をお願いします

 僕はもうほんとに好きという気持ちを伝えたいんですけど、なかなか話が噛み合わない。でも、その噛み合ってないところがまた絶妙に噛み合ってきてるみたいな面白い曲になってるかなと思います。

蘭乃 私はもう本当に林さんに乗っかっていくだけなので。でも、今日(この後の稽古で)このシーンの後のダンスルーティーンがつくんです。なので一緒に踊らせていただけるのがとっても楽しみです。

 僕も乗っかっていきます。

(一同笑い)

蘭乃 はい。二人でこう、グルーヴを作っていきたいと思います(笑)。

――演出の中屋敷さんから見て、お二人のこのシーンの印象は?

中屋敷 すごく素敵なこのミュージカルを象徴するような楽曲で、 お互い恋してるんだけど、若いから情熱がほとばしっていて全然噛み合ってないという。エネルギーが直接結びつかないんだけど、歌とダンスの中でだんだんだんだん結びつくような、そんな気がしてます。二人のキャラクター像と、若いエネルギーと自分の恋愛する気持ちをうまく制御できてない感じがよく表現できてるなと思って、ニヤニヤしながら見てました。

――今のシーンをご覧になって室さんの感想を教えてください

 無理に聞かなくていいんですよ(笑)。

(一同笑い)

やっぱすげえなって、率直に素直な気持ちなんですけど。あんまりミュージカルに関わってこなかった、体質なので。(一同「体質?!」とツッコミ)今回こうやって携わらせていただいて、出演するということで、本当に皆さんの素敵な歌声であったり表情であったりっていうのを、稽古場でよく拝見させていただいてるので、日々勉強でございます。だから二人、すごく素晴らしかったです。・・・俺なんか間違ってます?!

(一同笑い・拍手)

――敷村さんは室さんとダンスをされていかがでしたか?

 言った方がいいですよ。

敷村 あの、楽しいです、すごく(笑)。

 頼もしいじゃなくて楽しいのほうですよね。

敷村 頼もしい!

 いやいや、もうほんと引っ張ってもらってるんで、逆に。

敷村 いやいやいやいや、私も頑張ります。

――最後に林さんから、上演に向けての意気込みをお願いします。

 見ての通り、こんな楽しいメンバーで作っております。作品自体も面白くて、いい曲もたくさんあるので、ぜひ劇場で皆さんに体験していただきたいなと思います。劇場でお待ちしております!

取材は終始笑いが絶えず、出演者たち自身のチャーミングなキャラクターが役柄に投影されているような印象だった。フランク・レッサーの楽曲が彩るブロードウェイミュージカルの世界を、ぜひ劇場の空間で体感してほしい。

ブロードウェイミュージカル『WHERE’S CHARLEY? チャーリーはどこだ!』は2024年4月22日(月)から29日(月・祝)まで東京・日本青年館ホール、5月18日(土)・19日(日)は大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
東京公演と大阪公演それぞれの初日・千穐楽公演では、SPカーテンコールも予定されている。
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(取材・文・撮影/Encore!編集部)


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あらすじ

英国名門校のオックスフォード大学で、卒業を間近に控えたチャーリー(林翔太)とジャック(室龍太)。二人は仲良しのルームメイトであり、愛するエイミー(蘭乃はな)とキティ(敷村珠夕)を迎えてのランチを計画。時はビクトリア朝末期、独身の男女が立会人なしに、会席を同じくすることは許されない。折良くやってくるチャーリーの叔母ドナ(彩乃かなみ)に期待をかけたが、彼女は現れない。仕方なくチャーリーが女装して代役に。

そこへジャックの父フランシス(鈴木壮麻)、エイミーの叔父でキティの後見人のスペッティギュー(福田転球)が登場。金に困ったフランシスと、女性より金を愛するスペティギュー両名から、告白を受けるチャーリー扮するドナ。はぐらかしたり、逃げ出したり・・・女装を脱ごうにもジャックが反対し、彼女たちとの婚約同意書を得るために、ドナを演じ続けることになる。

そこへフランシスの旧友だというスミスが現れる。彼女こそ本物のドナだったが――

公演情報

WHERE’S CHARLEY? チャーリーはどこだ!

原作:Brandon Thomas “Charley’s aunt”
作:George Abbott
音楽:Frank Loesser
上演台本:勝田安彦
演出:中屋敷法仁
音楽監督・編曲:栗山梢

キャスト:
チャーリー・ウィカム/林翔太
ジャック・チェスニー/室龍太
エイミー・スペッティギュー/蘭乃はな
キティ・ヴァーダン/敷村珠夕
ドナ・ルーシア・ダルヴァドレス/彩乃かなみ
スペッティギュー/福田転球
サー・フランシス・チェスニー/鈴木壮麻

【東京公演】
日程:2024年4月22日(月)~29日(月・祝)
会場:日本青年館ホール
※初日公演・千穐楽公演 SPカーテンコールあり

【大阪公演】
日程:2024年5月18日(土)・19日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
※初日公演・千穐楽公演 SPカーテンコールあり

公式サイト:https://charley2024.jp
公式X:@charley2024jp
公式ハッシュタグ:#チャリどこ

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